第15課
本文
以前からこの居庸関はとても雄大だと聞いていましたが、今日実際に見てみて、確かにその通りだと思いました。
※雄伟xióngwěi:雄大 / 果然guǒrán:確かに〜 / 如此rúcǐ:このよう・そのよう
※ここでの”就”には「前の時点ですでに」というようなニュアンスを含める意図がある
はい。ここにはまた有名なレリーフもあります。
レリーフ?どこにあるのですか?
ちょっと見に連れて行ってあげましょう。
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見て、これには四天王像と仏典が刻まれています。経典は6つの言語で刻まれているので、学術的にも価値が高いんです。
是用六种文字刻上去的(6つの言語で刻まれている)について、一見受動態にするべき文に見えるが、これは「状態」の説明であり刻むという「動作」そのものは問題になっていないので、受動態にしないのが自然である。
長城の歴史はこんなに長いのですね、きっとたくさんの伝説があるのでしょう?
少し話してくれませんか?
※讲jiǎng:話す
でも、うまく話せないです。
※可是késhì:でも
※讲不好 は第12課 > 3. 可能補語の形である。
あまり謙遜しすぎないでください。簡単に話してみてください。
※简单地→”地”がつくことで「簡単に〜」と副詞になっている
文法事項
1. 存現文
存在や出現・消滅を表す文のことを総称して「存現文」といい、次の語順で表現する:
「場所/時間」+「動詞」+「人/物」
特に、「存在」を表す文のときは、動詞に持続のアスペクト助詞”着”を伴うことが多い。
なお、これは「AにBがある」という意味で動詞”有”を用いるときと同じ語順である。
主語となる「場所/時間」に重点を置くときにこの構文を用いる。逆に人や物に主眼が置かれているときは普通の文で述べるのが適切。
また、存現文での目的語(人/物)は必ず「不特定のもの」でなければならないことに注意。
机の上に本が2冊置いてあります。
壁に絵がかかっています。
※墙上qiánshang:壁(の上)
道端にはたくさんの自転車が停まっています。
※路边lùbiān:道端
前方から車が来ています。
※汽车qìchē:車
「出現」を表現している例文である。普通の文と比べて「前方から」という場所に重点を置いていると考えよう。またこのとき、持続の意がないのに誤ってアスペクト助詞”着”を用いないように注意。ここでは”过来”という複合方向補語を伴っている。
2. 複合方向補語
第13課 > 3. 単純方向補語 では単純方向補語について学習した。そのとき方向補語には”来/去”が属するグループAとそれ以外のグループBという分類があると述べたが、グループA,Bは組み合わせて使うことがある。これを「複合方向補語」といい、グループB→グループA(来/去)の順に使う。
複合方向補語の意味はそれぞれの単純方向補語の持つ意味を組み合わせたもの、と考えればよく、例えば“上来”なら、動詞の表す動作を通じて人・物が低い所から高い所へ上り、かつ基準点に近づくという方向を表す。
また、目的語の語順については、以下のようになる。
- 目的語が場所を示すとき
必ず「動詞」+「グループBの方向補語」+「目的語」+”来/去” の語順になる - それ以外のとき:比較的自由(1. 同様に「動詞」+「グループBの方向補語」+「目的語」+”来/去” ** の語順になることが多いが、「動詞」+「複合方向補語」+「目的語」となることもある)
Note
2.について、厳密には未然の出来事か已然の出来事か、などで区別もできるが、ここでは1,2をまとめて、複合方向補語は目的語を挟んで使う! と考えるのが覚えやすいと思う。
荷物を運び入れるのを手伝ってください。
※帮bāngSV→SがVするのを手伝う / 行李xíngli:荷物 / 拿ná:持つ/運ぶ
把行李拿进来について、まず”把”構文(参照:第12課 > 1. ”把bǎ“ 構文)で「行李」を「拿」する、すなわち荷物を持つ・運ぶ という表現になっており、ここに方向補語”进来”が伴うことで「基準点から中の方に近づく」→運び入れる という意味になる。
全員が部屋に入ってきた。
学生たちが走って上の階へやって来た。
父は上海からたくさんのお土産を持って帰ってきた。
※複合方向補語をつなげて用いて「回来多特产」としてもよい。
3. ”给“のさまざまな用法
中国語の”给”には、「二重目的語を取る動詞」としての用法と、「介詞」としての用法、さらに「補語」としての用法がある。
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介詞については第06課 > 3. 介詞 "在" などで紹介した通りで、「〜に」という受領対象を表現することができる。
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動詞”给”は、以下のような語順で二重目的語を取り、「AにBをあげる」という表現ができる:
「主語」+ ”给” +「人」+「物」
英語のgiveなどで用いられるいわゆるSVOOの構文であるから、特に難しくはないだろう。 -
「補語」としての”给”は、動詞に伴って「〜してあげる」という意味を加える。このときもSVOOの構文のような語順になる:
「動詞」 + 给 + 「人」 + 「物」
「物」は場合によって省略も可能だが、「人」の省略は不可。
以下では”给”が3つの用法のうちどちらで用いられているかに注意しながら例文を確認していく。
彼に電話をしてください。
※動詞”打“が続いていることに注目。また彼に何かをあげているわけでもない。したがって「给他」という前置詞句である。
中国の状況について少し紹介してください。
※上記の例と同じで、”给”は介詞として用いられている。
ホットコーヒーを1杯下さい。
※我 の後ろに 一杯热咖啡 が続き、SVOOの構文になっている。したがってここでの”给”は動詞。
あなたに部屋の鍵をお渡しします。
※钥匙yàoshi:鍵
※ここでの”给”は動詞。
私は彼女にプレゼントをあげた。
※礼物lǐwù:プレゼント・贈り物
※ここでの”给”は動詞”送”に伴って意味を加える補語としての用法。
3. 禁止の表現 ”不要búyào/别biě“ +「動詞」
動詞”不要búyào/别biě“ は、後ろに動詞句を伴って「〜してはいけない」「〜するな」という意味になる。この2つの動詞はほとんど同じ意味である。
あまり夜更かししないでください。
※第11課 > 4. 様態補語が用いられていることに注目。
問題をそんなに複雑に考えないでください。
※复杂fùzá:複雑
※第12課 > 1. ”把bǎ“ 構文と第11課 > 4. 様態補語が用いられていることに注目。
出かけるときには、電気を消すのを忘れないで。
※忘wàng:忘れる / 关灯guān dēng:灯りを消す
明日はちょっと早く起きて、学校に遅刻しないようにしてください。
※迟到chídào:遅刻する
别上学迟到 というと”别”がどこにかかるか曖昧で、非常に不自然な文になる。
「場面V1」+ ”别” +「望ましくない行為V2」という語順にするのが自然。
他の例: 吃饭别说话(食事中にしゃべらないで)
練習問題
A-1
私は友人に写真を一枚あげました。
私は友人に写真を一枚撮ってあげました。
私は友人に写真を一枚送ってあげました。
私は昨日撮った写真を友人に送ってあげました。
※昨天拍的照片 が特定のもので主題であるから、”把“構文を用いるのが自然になる
A-2
彼女はかばんから本を二冊取り出しました。
※方向補語”出”が用いられている
部屋の中にはたくさんの机と椅子が置いてあります。
ボールペンを1本貸してください。
※ここでの”给“は前置詞句。なお、借jièは「貸す」「借りる」両方の意味を持つことに注意
※圆珠笔yuánzhūbǐ:ボールペン / 支zhī は棒状のものを数えるときの量詞
教室の中からたくさんの学生が出てきました。
※「出現」を表す文になっている。
明日、あなたは彼に電話をかけるのを忘れないでください。